1992.6.12
アイヌ語(カナ表記) アイヌ語(ローマ字表記) 日本語 備考
1 ヌマキ numaki 腰巻 <火事のときは、自分の家にヌマキをぶらさげると、火がうつらない。これがアィヌプリだ>
2 アィヌプリ aynupuri アイヌ文化の風習
1992.6.18
3 オマカテッテrケ omakatetterke つまずきながら歩く
4 イペフナラ ipehunara 食べ物を人に与えるのを惜しむ(けち)
5 エフナラ ehunara 羨む
1992.6.25
*歌について
6 ヤィサマネナ yaysamanena 歌の一種 (自分の気持ちを、歌のように抑揚をつけて語る)
7 イフmケ ihumke 子守歌
1992.7.9
*自然現象について
8 カムィフミ kamuyhumi
9 イメル imeru 稲光 <イメr アs=稲光が光る><ウェン クrマッがカムィを怒らせて、イメル アsして死んだと言う話がある>
10 カムィ kamuy
11 クrマッ kurmat 和人の女性 <ウェン クrマッ=悪い和人の女性>
12 <エsナ(=くしゃみ)したときのイムの言葉は、エシコンチコr エシコパッチェ エカs アシニ オsマと言う=それが頭巾を持つ、それが飛び散る、エカsが便所に落ちる><エシコンチコr エシコパッチェ エカs アシニ オsマでも、エシコパッチェ エシコパッチェ エカs アシニ オsマでもよい>(上記の言葉は、人がくしゃみをしたときに、その声に驚いて口走る言葉。特に深い意味はない。エsナはくしゃみの擬声語で、エsナのエシから上記のような言葉が発せられると思われる)
13 <ウペゥは根を干しておいて、風邪がはやったときに、刻んで着物の襟に入れるか、袋に入れて持ち歩くと風邪にかからない>
14 イkカp ikkap 泥棒
15 スンケカムィ sunkekamuy 嘘つき
16 イkカカムィ ikkakamuy 泥棒
17 ヤイコアッチャ yaykoacca 不潔
18 イヤィシトマレ iyaysitomare 驚いた
19 ニオrカr iorkar 縮む <お湯をかけるとニオrカrする>
20 カゥニカゥニ kawnikawni ごりごりする
21 サマケタ samaketa そば <サマケタ ク アン ナ=そばに私がいるよ>
22 シネンネワアン sinennewaan 一人でいる
23 ヤィコアン yaykoan 一人でいる
24 ルウンペ ruunpe 木綿製の着物 <白老では、N.Hさん、U.Mさん、F.Cさんの奥さんがルウンペを作るのが上手だった>
25 <レイェレイェしてアpカsしている=這うようにして歩いている>
26 <葬式の後に遺体を墓地に埋葬する折りに、コタンを出てコタンケsを通り、昔の踏み切りを通って墓地へ行った。道がついていた>
27 <アィアィが死んだら、アシニの入り口に埋めた。特別な墓は作らなかった。M.Kさんの子供か孫が死んだときに、ぼろにチオクタpタpして埋めた>
28 <墓地で、間違って土まんじゅうに足が埋まったときは、着物の袖をそこに置いてコタンへ帰り、家に入る前にカsケキkした>
29 コタンケs kotankes コタンの下手(西側) (白老町の地名)
30 コタンコィカ kotankoyka コタンの上手(東側) (白老町の地名)
31 コッネ kotne くぼみのような所
32 チオクタpタp ciokutaptap 丸まる <寒くて、角っこでチオクタpタpしている>
33 ウコトゥkカ ukotukka 互いにくっつく
34 テレ tere 待つ
35 テパ tepa
36 サk sak ない、欠く
37 アミp amip 着物
38 カエカ kaeka 糸を縒(よ)る
39 トゥパサンケ tupasanke 悪い神を送る儀式 <タスmカムィなど、悪い神をホプニさせるときのカムィノミをすること>(1993.2.18参照>
40 タスmカムィ tasumkamuy 人を病気にする神
41 ホプニ hopuni 神を神の世界に旅立たせる (ホプニレと同じ。ホプニレが多く使われる)
42 カムィノミ kamuynomi 神への祈り
43 ルイペ ruype 魚を凍らせながら、血と水気を抜いたもの <カレイでも、サケでもペッパして裂いて、身を切って干して凍らせてルイペにして置く。それを火であぶって食べる><ソrコニをサッチェッpにする。サメガレイも同じ。ルイペにもなる。少し生なものは、トゥパトィパして汁に入れる>
44 ペッパ peppa 魚などの腹を裂く(=ペrパ)
45 ソrコニ sorkoni アブラガレイ
46 サッチェッp satcep 干し魚 <シリカpは塩茹でにしてから、ざるに入れて干す。眼はチタタpにする>
47 ピチrペ picirpe 蛆(うじ)の小さいもの。 <モソsペになる前の蝿の卵だがすでに動いている。蝿の卵も同じ名前で呼ぶことがある><ピチrペ ウsはエできない=蝿の子がついているものは食べられない>
48 モソsペ mosospe
49 ウs us 沢山ある
50 e 食べる
51 アフpカrペ ahupkarpe 養子 <シサm サニのアフpカrペ=和人の子供の養子>
52 ポホイサmペ pohoysampe 子供のない人
53 ペンペ penpe 陰部を火にかざして暖める <サマmペをセセkカするのをペンペと言う=陰部(女性の)を暖めるのをペンペと言う>
54 セセkカ sesekka 暖める
55 ヌンヌン nunnun しゃぶる
56 クrキ kurki 鰓(えら)
57 ピキキ pikiki しぼるように洗う
58 アペキラィ apekiray 炉扇
59 テkピラ pikpira 手で開く(魚を手で開いて干し、ひらくにする)
60 テッピラ tekpira 手で開く(こちらの発音が多く使われる)
61 <メフンはアイヌ語。塩辛にする。魚の内臓も>
62 <カンカニは動物の腸だけを言う>
63 <ピキキはしぼってフライェすること>
64 <ポpケして、それをサカンケする>
65 <ペゥタンケはホィホィ(=ペゥタンケで発する声)すること> (*既に記載されている語の補足分)
66 <タィコンラを温めて湿布の薬にする>
67 <ハマナスの根をポpテして飲むと、腎臓病のむくみがとれる>
68 アシニフッチ asinihuci 便所の神(あばあさんお神なので) <お産をした後、21日間は外へは出られない。便所へ行きときなど、どうしても外へ出るときは、頭から布を下げて顔を見えないようにする。これは、お産の後の不浄な人間が外へ出ると、太陽の神に悪いから><便所の中へ竹を刺しておいて、そこへ溜(た)まる汁を飲むと風邪などの熱が下がる><便所に7日間ぐらいダイコンを刺しておいて、それを干して保存し、風邪のはやったときに、少し刻んで煎じて飲むと、熱が下げる。とても臭くて飲みにくい>
69 シrシモイェ sirsimoye 地震
70 <女性が死ぬと、家、鍋、お椀6個など生活に必要なものを持たせる。白老では、小屋を建て、その中で家族の人が御飯を食べ、その後、小屋をほぐして、コッネへ持って行って全てのものを焼く>(1991.9.5参照>
71 ストゥカp sutukap ブドウ蔓(つる)皮 < サラニpを作る>
72 ミンタr mintar 便所 <Oさんが言っていた。普通はアsニと言う>
73 オペラッネ operatne はだけている (帯をしないで着物を着ているために、前がはだけて、だらしない状態)<オペラッネしてアsニへ行く>
74 <風邪の神がはやったから、トゥパサンケしてタスmカムィをホプニした。トゥパサンケには、粗末な食べ物とタンパコなどをサラニpに入れて持って行き、コタンの上手の、Tさんの家の浜手にあった送り場のヌサでおこなった>
75 <トゥパサンケをするときは、コタンの家々から材料を集める。適当な物がないとイコr サンケ(=お金を出す)する。コタン全体の風邪の神を送る儀式なので、各家々から送る神に持たせる捧げものを集める。これには粗末な物を出すが、なにも出すものがないときは、小銭を出す。サケの頭も出す。サケの頭は乾燥させたもの。サケの頭は魔除けになる>
76 タンパコ tampako 煙草
77 <I.Eさんは、ヌサを送ることのできる最後の人だった>
78 キナカムィ kinakamuy 蛇の神 <霊力が大変強い神様。M.Tさんのお母さんが、一尺ぐらいの箱に入れて持っていた。イナゥと赤い布がついていた。K家の人が病気で危なくなったときに、それを窓から出して持って行き、その家の窓から入れて呪術をおこない、命を助けたことがある。このカムィは、自分があの世へ行く前に自分はもうすぐあの世へ行くからと言って、先に送った>
79 ラmマ ramma いつものように <ラmマ カ アン ナ = 変わりないかい>
80 トゥナs tunas 速やかに <トゥナs ノ アン ナ = 元気でいたかい>
81 イワンケ iwanke 健康 <イワンケ ノ アン ナ = 元気でいたかい>
82 <クンネ ワ アン ナ = 暗くなったね>
83 <ヘンパノ ホプニ アン ナ = さあ起きなさいよ>
84 ムリッチ ハマニンニク(テンキグサ) <ムリッチで作ったサラニpがあった>
85 ウサ usa 全ての <ウサ オカィ ペ = そこにあるもの全て>
86 ホサリ hosari 振り向く <イテキ ホサリ ノ エコr ウタリ さ ホクレ オマン ナと言って送る = 決して振り向くことなく、あなたの親戚のところへ早く行きなさいと言って魂を送る>
87 <イナゥ2本と、まん中に別のイナゥ1本を立て、まん中の1本にセpパをっけて、カムィフッチに祈る。首にはイナゥコテする。イナゥには赤い布をつけ、後ろで縛る。そして、セpパのついたイナゥに病気をなおしてくれるように頼むと、病気はなおる。セpパをつけると、人を呪うことも、病気をなおすこともできる。これは鵡川の話しだ>
88 シキピサkペ sikipisakpe 目がない人
89 シキヒウトンナ sikihiwtonna 目が白い
90 シキヒウコトゥkカ sikihiwkotukka 目を閉じる(まぶたを閉じる)
91 エホマトゥ ehomatu びっくりする(飛び上がるように驚く)
92 <モセmとチセとの間のアパは、普通は開いていた>
93 エラムsカr eramuskar わからない (エラムシカリと両方使われると)
94 シクタマル sikutamaru おとなしく縮こまっている
95 イヨエワアン iyoewaan くそでも喰らえ<白老では多く使う言葉だ> (イヨ エ ワ アン = 陰部を・食べ・て・いる となるが、一つの単語のように使われる)
96 シエワアン siewan くそでも喰らえ<白老では多く使う言葉だ> (シ エ ワ アン = 糞を・食べ・て・いるとなるが、一つの単語のように使われる)
97 ハィタp haytap 馬鹿者
98 ルハィタ ruhayta 足りない奴
99 カmタチサkペ kamtacisakpe 脳のない奴
100 カmタチ kamtaci
101 <トンペ ハィタクr = あいつは馬鹿者だ>
102 モsマノアン mosmanoan かまうな (この語は、モsマ ノ アン = 別に・全く・あるとなるが、一つの単語のように使われる。講師のお二人は、モsマだけの意味は知らないと)
103 <アヤカンナ ネコネ シリキ タ アン = 驚いた。どうしたとことだ>
104 ネコネ nekone どうした <ネコネ=どうしたの?>
105 シリキ siriki −している(様子)
106 レス resu 育てる <アィヌにレスされてイタkするようになった = アイヌの人に育てられて、アイヌ語を話すようになった>
107 アオイペp aoypep 椀 茶碗 (両方共使うと)
108 オイペp oypep 椀 茶碗 (両方共使うと)
109 パスィ pasuy
110 メシ mesi <アkケテkを皿の代わりに使ったり、カスpを作った。それらの食器で、サヨやオハゥ、メシなどを食べた>
111 <エアニ イペ アン ロ = あなた食事にしましょう>
112 チpカムイ cipkamuy 舟の神 <食べ物を持っていくときに、摘み喰いをすると、チpカムィにパロホ ノィケされると言われた = 舟の神様に口を捻じられると言われた>
113 ノィケ noyke 捻る <食べ物を持っていくときに、摘み喰いをすると、チpカムィにパロホ ノィケされると言われた = 舟の神様に口を捻られると言われた>
114 <ナヌフ カ フライェ カ ソモキ ノ アpカs = 顔も洗うこともせずに出歩く>
115 シエチャ sieca 髪型の名
116 マチサkペ macisakpe 男やもめ
117 <シネン ネ ワ アン = 一人でいる>
118 <イヨイタkは、一生の内で3回までしかできない>
119 モコrコモ mokorkomo 寝ぼける <ヘスィパしてモコrコモする>
120 シヌウナrパ sinuunarpa 祖先供養の儀式 (普通はシヌラpパと言うがこの2語も白老で聞いたと)
121 シンヌラpパ sinnurappa 祖先供養の儀式 (普通はシヌラpパと言うがこの2語も白老で聞いたと)
122 <今ではオンネした人もイサmして、イチャrパのこともわかっている人が減った>
123 ヌワp nuwap 捻る <ハーイーと言ってヌワpする=痛いーと言って捻る>
124 ハーイー hay 痛いときに発する言葉 <ハーイー ク ヤィヌ ク チキr = 痛いー私の病気の足>
125 ヤイヌ yaynu 病気
126 エネアラmカイサm enearamkaysam わからない
127 カpケ kapke 頭にできものができる
128 ラゥラゥ rawraw 禿げ(頭の周囲に少し毛の生えている禿げ)
129 ラゥラゥ rawraw コウライテンナンショウ <毒を取って食べるとおいしい。良く食べた>
130 チルィペ ciruype ずるい人 <トオンペ チルィペ = あいつはずるいやつだ>(日本語、ずるいから)
131 ヘタリ hetari 見上げる <ヘタリ ワ インカン ナ = 見上げて見ているよ>
132 ヘポキキ hepokiki 下を見る <ヘポキキ ワ アン = 下を見ている>
133 ウナクタウシ unakutausi 灰捨て場 <ポロヌサの浜側にあった>(野本亀雄さん) <ポンヌサの陸側にあった>(松永たけさん)
134 ムrクタウシ murkutausi 穀物の胚や殻(米糠など) <ポロヌサとポンヌサの間>(野本亀雄さん)
135 イコッキ ikokki さわり 崇り <イコッキするとタスmする>
136 ケリ keri <トィタするときはケリを履いていた>
137 ルピチャサヨ rupicasayo 水の多い粥 <トゥレpサヨはニトゥンニトゥンしておいしい>
138 ニトゥンニトゥン nitunnitun しこしこする(こしのある餅のような食感)
139 シラリサヨ sirarisayo 固めの粥
140 シネウェ sinewe 遊び歩く <シネウェして歩く>
141 ウェンケゥトゥmコrペ wenketumkorpe 悪人 <イペフナラするのはウェンケゥトゥmコrペだ>

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