(第5回目)資料
1990.9.6〜
*魚類名称と利用について
p10
name アイヌ語(カナ表記) アイヌ語(ローマ字表記) 日本語 備考
1 ヘロキ heroki ニシン <レクチ(=鰓(えら))に紐を通して干す>
2 ナヌウェン nanuwen トウベツカジカ (白老ではトンベツと言う)
3 チマカニ cimakani カジカの類 <チマカニはアカカジカか?食べない>
4 シリカp sirikap メカジキ <白老では、シリカpは大切な食料だった。夏になると沖へ漁に出て、シリカpを捕った。時にはマグロやフmペも捕った。漁には、親戚などの気心の知れた人が、一隻の舟で出かける。舟には3人が乗り、2人が車櫂を漕ぎ、1人が櫓を押す。獲物を見つけると、一番前に乗っている突き手がキテを持ち、2人が漕いで獲物に近づき、キテで突く。捕った獲物は、小さ目のものは舟に積み、大き目のものやフmペは舟の縁に縛り付けて陸に戻り、岸に近づいたら”モsカr ヤン”と叫んで留守を守っている家族などに合図をする。それを聞いた人は、砂浜にクッタrをモsカrして敷き、その上に獲物を置く。捕ってきたシリカpはチタタpにしたり、焼いたり、煮たりして食べる>
5 フmペ humpe クジラの類
6 モsカr moskar 草刈り <モsカr ヤン=草を刈りなさい>
7 クッタr kuttar イタドリの類
8 チタタp citatap 魚を使って作る料理の名 (白老では、シリカpの眼の汁と、尾鰭(ひれ)の近くのある脂肪状突起“リカ”、脳、ネギを刻み、塩味を付け、それらを混ぜて作るのが一般的)
9 サマmぺ samampe カレイの類 <ポロ サマmペ = 大きいカレイ><ポン サマmペ = 小さいカレイ>
10 タンタカ tantaka タカノハ
11 カスペ kasupe ガンギエイ <ポンカスペ(=小さいカスペ)もチタタpにする。骨ごと刻んで、塩、カスペのラハを入れて混ぜる><アカエイの尾の刺を、漁に使うのを聞いたことがある。川魚を獲るときに使うのではないか。この刺はとても恐ろしいものだ。ウコィキした相手を呪うときにも使う。このしっぽをトゥイェしてきて、相手がオクィマした後に刺せば、その人は死ぬ。でも、このようなことをすれば、呪った本人も死ぬので、決してしてはならない>
12 ra 魚の肝臓 <所属形=ラハ>
13 ウコィキ ukoyki 喧嘩
14 トゥイェ tuye 切る
15 キナンポ kinanpo マンボウ <皮、身、肝臓、胃、カンカニなどで共和えを作る>
16 カンカニ kankani
17 サメ same サメ
18 アmパヤヤ ampayaya カニの類
19 アkケテk akketek ホタテ
20 カkクラ kakkura キンコ(白老ではフジコと言う) <ナマコほどではないが、おいしい。煮て食べるか生のまま食べる。煮るときは水を使わず、カkクラを切ると出てくる汁だけで煮る。ま水で煮るとおいしくない>
21 トkカリ tokkari アザラシの類
22 ラkコ rakko ラッコ
23 タンネチェp tannecep ナガズカ(白老ではワラズカと言う)
24 カムィチェp kamuycep サケ <カムィチェp エk ナ=サケが来たぞ><カムィチェp サン ナ=サケが下りたよ>
25 サン san 降りる 下りる 出る

 
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